健康お役立ち情報

2014/07/25

日本人に適した食事の知恵シリーズ(8)

小林晃大

特定非営利活動法人医療機関支援機構 特別顧問

日本人に適した食事の知恵シリーズ(8)

大根の変化から見る日本人の食事
生産者にも流通にも消費者にも便利な大根の中身

今の大根と昔の大根の味を比べると、今のものは甘味が増していますが、その分だけ辛味が減っています。それは、食べやすくするための品種改良の結果ですが、一般に広まっている品種が大きく変わってきました。今、一番見かけるのは葉っぱに近いところが緑色になっている青首大根です。色白で均一の太さとなっています。

ひと昔前に“大根足”という言葉が使われていましたが、今の大根を見ると「白くて形がよい足の代名詞」と思われるかもしれません。実際の意味は、ふくらはぎのように膨らんだ足を指した言葉でしたが、昭和50年代に病気になりにくく甘い青首大根が急速に普及するまでは、中央が大きく膨らんだ三浦大根や練馬大根が一般的でした。

三浦大根は生では辛味が強く、煮物によく使われました。練馬大根も生では辛味が強く、たくあん漬けや干し大根に使われていました。辛味を求める場合には大根おろしに使われていました。これらの大根に代わって青首大根が一般的に流通するようになったのは、甘みが増したなどの消費者の好みもさることながら、栽培農家と流通に喜ばれるものでもあったためとも考えられます。

農業の高齢化は当時から進んでいて、青首大根は太さが均一で、しかも青首の部分が地上に出ているので高齢者でも抜きやすいのが一つのメリットです。青首大根が出始めたころよりも緑色の部分が広がってきているのは、より高齢化が進んだ結果かもしれません。1年中採れて、病気にも強いというメリットもありました。

流通の面では、三浦大根は箱に入れにくく、かさばるので運びにくかったのですが、同じ箱に入れられれば効率的に運ぶことができます。八百屋やスーパーでも同じ長さ、同じ太さのものは同じ値段で売りやすいので、目玉商品としてよく売れる商品となりました。大根は最も栄養成分が豊富になる時期があります。長く土にあるほど栄養が豊富ということではなく、最も栄養豊富な状態で抜くと、長さがバラバラになります。そこで売りやすいように箱の長さに合うところまで育ったら抜くということが起こりました。

大根は辛味がなくなった分、ビタミンとミネラルが減ってきました。それに加えて、最も栄養が多くなった段階で出荷されないものも出てきたので、以前と同じ量だけを食べれば、同じように栄養が摂取できるというわけにはいかなくなったのです。ここでは大根の例を紹介しましたが、ニンジンをはじめとした根菜類は太さが均一な品種が主流となっています。使い勝手はよくても、栄養が低下してきていることも考えて、もっと多くの量を食べるようにしたいものです。

小林晃大

特定非営利活動法人医療機関支援機構 特別顧問

小林晃大

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