健康お役立ち情報

2014/07/25

日本人に適した食事の知恵シリーズ(7)

小林晃大

特定非営利活動法人医療機関支援機構 特別顧問

日本人に適した食事の知恵シリーズ(7)

トマトの変化から見る日本人の食事
おいしくなった分だけ減った栄養素

昔はトマト嫌いの子供が多かった――という話を若い人にしても、なかなか通じないようです。トマトといえば、甘いのが常識という時代になっているからです。もっと通じないのは「半分が赤くて半分が緑色のトマト」という話です。そんなものは見たことがない世代には、何を言っているんだ、という顔をされてしまいます。

トマトの味の常識が変わったのは、1985年に登場した “桃太郎”からです。完熟トマトと銘打った桃太郎は、ピンク色が特徴で、味も甘くて食べやすいことから一気に人気が高まりました。桃太郎という名前は、トマト嫌いの子供たちに手に取ってほしいからということで名付けられたということで、それくらいトマトが食べられなかった子供が多かったということを示しています。

嫌われる原因は何だったのかというと、青臭い味でした。以前は“トマト臭い味”という言葉があったくらいです。その当時のトマトも完熟をした状態なら甘くて、トマト臭さもなかったのですが、流通の関係から完熟前に収穫されるのが一般的でした。完熟してから出荷すると店頭に並べたときから傷み始めているので、半分が赤くて半分が緑色の状態で収穫されて店頭に並べられていました。店頭で徐々に全体が赤くなるので、長く売ることができるというのが、その理由です。熟していない状態で収穫すると、赤くなっても青臭い味が残ってしまいます。

桃太郎は、収穫時期が早くてもピンク色になっていて、皮が硬めなので傷みにくく、店頭でも長持ちをするので、流通にとっても便利な品種です。甘くて長持ちするというメリットがあるものの、酸味が少なく、ビタミンも少なくなっています。以前の品種に近い赤系トマトは100gあたりのビタミンCの含有量が32mgとなっていますが、それに対してピンク系トマトは15mgです。ビタミンCの1日の摂取基準(平均必要量)は100mgとされていますが、国民健康・栄養調査(平成24年)の結果では男女平均で96mgと、少し不足しています。2004年の117mgと比べると約18%以上程度減少しています。

トマトのほかにニンジンやピーマンも子供が残す野菜の代名詞でしたが、これらも品種改良によって、おいしく食べられるようになりました。しかし、その半面、栄養素が全体的に低下しています。日本人は野菜から多くのビタミンを摂っていました。栄養素が豊富な野菜を選んで食べることも必要かもしれませんが、もっと多くの量を食べる必要があるといえます。

小林晃大

特定非営利活動法人医療機関支援機構 特別顧問

小林晃大

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