健康お役立ち情報

2014/11/04

健康知恵袋(6)最後の味付けで塩味の感覚は変わる

小林晃大

特定非営利活動法人医療機関支援機構 特別顧問

健康知恵袋(6)最後の味付けで塩味の感覚は変わる

塩分が少なくても、舌の中でも塩味を感じる味蕾がたくさんあるところに触れさせて食べると、塩味を強く感じて、おいしく食べられる――と以前は言われたものです。食べ方によって塩味だけでなく、他の味覚の感じ方が違うなら、それを活用しない手はないように思えるものの、このことは今では間違いとされています。

“味覚地図”という言葉があります。これは舌の味蕾が部位によって異なる味を感じているとの考えに基づいて作られたものです。それによると、塩味は舌先と舌の側面で感じるとされていました。しかし、味覚の研究が進むにつれて、味蕾には塩味、甘味、酸味、苦味、旨味のすべての味に反応するセンサーがあることがわかりました。味蕾の機能の認識が新たになったとしても、塩味を舌の表面で感じることに違いはありません。そのメカニズムを活かせば、少ない塩分でも味を薄く感じることなく、おいしく食べることができます。

煮物や漬物は、食塩やしょうゆなどの調味料を使うと、食塩が食材の中に染み込んでいくために、舌の表面で感じる塩分量に比べて、摂取する塩分の量が多くなりがちです。舌のメカニズムを活かすためには、肉や魚の場合には焼いたあとに塩や醤油を振りかけたり、つけて食べると少ない塩分でも味を強く感じることができます。

味覚は年齢によって変化していきます。これは味蕾の数と関係しています。成人では味蕾は約9000個ありますが、加齢によって減っていき、60歳では約6000個、80歳では約4000個になります。また、味蕾の感受性も低下していきますが、特に感覚が低下していくのは塩味です。そのため、年齢を重ねるにつれて、塩味を感じにくくなるのを補うように自然と塩味が強くなっていく傾向があります。

味蕾は細胞の新陳代謝が特に早い器官で、1か月ほどで新たな細胞に入れ替わっています。亜鉛はたんぱく質の合成に欠かせないミネラルで、細胞の新陳代謝にも大きく影響するので、亜鉛が不足すると味蕾の入れ替わりが遅くなることから味覚が低下したり、味覚障害を起こすようになります。加齢による味覚の低下と亜鉛不足が重なると味覚の低下が大きく低下するようになるので、亜鉛の補給は大切です。亜鉛は牡蠣に特に豊富に含まれ、レバー、牛肉、卵、チーズなどにも含まれています。

年齢による味覚の低下を感じるときには、塩味を最後に加えるという調理法を試して、塩分の摂取量を増やさないようにしたいものです。

小林晃大

特定非営利活動法人医療機関支援機構 特別顧問

小林晃大

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